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浪廊の館

浪人になったチャリダーが綴る日常。

手放しで絶賛できるイヤホン :Final E2000/E3000 試聴レビュー

 高級なヘッドホンからお手頃ながら高品位なイヤホンまで、幅広く生産する国産のオーディオメーカー、Finalから新しいダイナミック型イヤホンのEシリーズが発売予定ということで秋葉原のeイヤホンにて試聴してきました。

以下はEシリーズ、E3000とE2000のレビューとなります。

 

 この記事を読む人の中には「Finalって何者」と思う方もいると思うので、軽く説明。

 Finalは神奈川県に本拠地を構えるオーディオメーカーです。

 設立自体は1974年と結構な老舗ですが、イヤホンやヘッドホンの製造を始めたのは2009年からと、ポータブル分野ではかなりの若手。

 ちなみにこのような老舗で最近ポータブルオーディオに本格参入したブランドとしては他にONKYOなどがあります。

 これらの老舗の子ブランドは元から高い技術力を持ち、特にスピーカー関連で培った空間表現力に長けているので、高品位な製品を続々と市場に投入して”イヤホンの老舗”に匹敵する地位を築いてきました。

 そんなFinalが掲げる目標はアンティークのような長く愛される製品作り。

イヤホン、ヘッドホンという商品は、現在家電製品という新品の時に価値が最大であるというカテゴリーに属しています。
しかし私達は将来、機械式時計のような愛着を持っていつまでも使い続けられ、アンティークとして価値を持ち続けるイヤホン、ヘッドホンを作って行きたいと考えています。

 今回レビューするE2000/E3000もこのFinalの目標を踏まえつつ、書いていきたいと思います。

 ちなみに私は点数評価は行いません。

 イヤホンの魅力を点数化してしまうなんて恐れ多くてできません。

(それに、評価してもどうせオール☆5ですので。)

 この記事を読んで気になったら是非ショップに足を運んで試聴してみてくださいね。

諸データ

  E3000 E2000
筐体 ステンレス 鏡面仕上 アルミニウム 黒アルマイト仕上
ドライバー 6.4mm ダイナミック型 6.4mm ダイナミック型
感度 100dB/mW 102dB/mW
インピーダンス 16Ω 16Ω
質量 14g 12g
コード長 1.2m 1.2m
価格 5,480円 4,380円

 

E3000

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 まずは兄貴分のE3000からレビュー。

 このイヤホンは何と言っても高音から低音まで万遍なく鳴るフラットな特性が魅力。

 聞くほどに惹き込まれ、曲の世界に呑まれてゆく感覚...

 U5000クラスのダイナミック型イヤホンとは思えない、本当に素晴らしい空気感と味わい深い音にうっとりとしてしまいます。

 そして無理な強調も引っ込みもない音には、低音で耳の奥が熱くなるような感覚も、高音のピリピリと響く感覚もなく、ただ清流のようでありながら力強い音は聴き疲れしづらいこと。

 そんな音を最大限に活かすのがFinalらしい高次元の空間表現力。

 コンサートホールに降り注ぐ光に照らされる楽器の存在感まで感じ取れそうな定位感と輝く音は価格に対しては明らかにオーバースペック。

 音と音が無用な干渉をし合わず、調和する音空間に純粋に曲を感じ、楽しむ為の心遣いを感じます。

 この価格でこのレベルの表現力を持つイヤホンに出会えるとは、素直に感動しました。

 

E2000

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 次に弟分のE2000です。

 こちらはE3000と打って変わって低音に重点が置かれています。

 ダイナミック型らしい深みのある低音。威圧的でなく、包み込みような優しい低音。

 懐かしささえ感じるその音に合う曲を探すひとときさえ、楽しくて仕方がないのです。

 そしてこの低音、とてもキレが良い。

 鋭くスパスパと切れる低音が生み出す静寂なる余韻にずぶずぶと沈んで、イヤホンと一体になって震える臨場感。

 加えてE3000の空気感を感じる曇りげな音と対称的にダイレクトに響いてくる音。

 こんな美しくも儚い余韻を残すクリアな低音に合うのはスピード感のある曲でしょう。

 そんなこのイヤホンの一番いいところは、その素晴らしい低音で中高音を潰してしまわない見事なバランス。

 ヴォーカルはビートの最中にも明瞭に聞こえ、アクセントの高音がかすれて消えることもなく、見事に共存している音の姿に価格を超える価値を見出せるはずです。

 

共通部分

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 外装部分の形状はE3000/E2000ともに同様。

 E3000には美しく磨かれたステンレス製の円柱が、E2000にはアルマイト処理*されたマット調のアルミニウムが採用されています。

 これらに装着されるFinal製イヤーピースはイヤホン好きからの評価が非常に高く、本体価格が30万円を超えるイヤホンに装着する人もいるそう。

かくいう私もFinalのE型イヤーピースの愛用者です。

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 外に見える部分には放射状に穴が開けられた金属製のメッシュが装着されています。

 なお、ここから音漏れすることはありません。

 ケーブルは細く、軽く。同様のケーブルのAdagio3を所有していますが、このケーブルは軽さゆえにタッチノイズが非常に少なく、取り回しも非常に快適です。

*アルマイト処理:アルミニウムを陽極で電解し、酸化被膜を形成する処理のこと。

 

総評

 両機ともにFinalらしさを感じる空気感にナチュラルなリスニングを実現したイヤホンで、価格以上の価値を見出す事ができます。

 またU5000のモデルでは価格別の展開がなされると「安価な方は高価な方の下位互換」に等しい味付けがされることが多いのですが、本機はE2000とE3000は価格で必ずしも上下が決まっておらず、自分にあった音を選択する楽しみがあるというのも素晴らしい点だと感じます。

 加えて(本文には書いていなかったのですが)時間はかかるものの、エージング*に因って熟成するように深みが増していきます。

 特にFinalのイヤホンはエージングの影響を受けやすく、飽きの来ない音と相まって、一つのイヤホンを長く楽しめる重要なファクターとなっています。

 

 飽きの来ない美しい逸品として、定番の一台として、低価格ながらFinalの本気を感じられるこの2機種。

 興味をお持ちになられた方、機会があれば是非一度試聴してみてください。

 大好きな曲の、今まで見えなかった一面に出会えるかもしれません。

*通常使用で生じる劣化。音の深みが増したり、特定の音域が伸びるなどの変化を楽しむことができる。

 

画像ソース:

http://snext-final.com/products/detail/E3000.html

http://snext-final.com/products/detail/E2000.html

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